ZeroTrust導入ガイド(上級編)
ZeroTrustの基本と中級の知識を踏まえたうえで、企業がさらに高度なセキュリティ体制を構築するためのポイントをまとめました。最新の脅威に対応し、持続可能なセキュリティ運用を目指しましょう。
高度なZeroTrustアーキテクチャの構築
上級レベルでは、単なるアクセス制御だけでなく、ネットワーク分離・AI活用・監査対応・行動ベース制御などを総合的に組み合わせる必要があります。
主な構成要素
- ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス):全デバイスを継続的に検証
- AIによる脅威検知:リアルタイム行動分析と自動防御
- コンテキストベース制御:ユーザーの振る舞いや端末状態に応じた動的アクセス
- マイクロセグメンテーション:被害の局所化を目的としたネットワーク分割
最新脅威とZeroTrustの必要性
高度化するサイバー攻撃に対し、ZeroTrustは「侵入を前提とした設計思想」で防御の質を向上させます。以下は主な脅威とその対策例です。
脅威 | ZeroTrustによる対応策 |
---|---|
ランサムウェア | EDR/XDR導入、マイクロセグメント化、最小権限アクセスの徹底 |
フィッシング詐欺 | MFA導入、AIによる行動検知、社員教育の強化 |
サプライチェーン攻撃 | ZTNA導入、外部ベンダーのアクセス制限と監査 |
内部不正 | 行動監視とAI異常検知、動的アクセス制御 |
運用フェーズでの強化ポイント
1. 継続的な監視と自動化
ZeroTrustは導入して終わりではなく、日々のセキュリティ運用が要です。
- SIEM(セキュリティイベント管理)の活用
- SOARによる自動対応フローの構築
- 脅威インテリジェンスとの連携
2. AIによる異常検知とリスク対応
AIは大規模なログ・行動データを高速に解析し、リスクの高い行動を即時に検出・封じ込めます。
- ユーザー行動に基づくアクセス制御(UBA)
- 異常検出時の自動封じ込め
- リスクスコアに応じた段階的対応
3. コンプライアンス対応
法規制(GDPR、ISO 27001、NISTなど)への対応は企業の信頼性にも直結します。
- アクセスログの自動記録と監査
- 定期的なリスクアセスメント
- ガイドラインに基づいたポリシー更新
ZeroTrust対応の主要ソリューション
ソリューション | 提供企業 | 特徴 |
---|---|---|
Google BeyondCorp | クラウドネイティブなZTNA基盤 | |
Cisco Zero Trust | Cisco | ネットワーク〜クラウドまで統合対応 |
Okta Identity Cloud | Okta | シングルサインオン・MFA対応のID管理 |