FWとVPNの違いと機能比較表

FWとVPNの違いと機能比較表

企業のネットワークセキュリティを強化するためには、ファイアウォール(FW)と仮想プライベートネットワーク(VPN)の活用が不可欠です。本記事では、それぞれの役割や違いを詳しく解説し、最適な選択肢を考察します。

FORTINET FORTIGATE 40F
FORTINET FORTIGATE 40F Next GEN FireWire
Amazonでチェック!
Sophos CS101-8スイッチ
Sophos CS101-8スイッチ – 8ポート
Amazonでチェック!

FW(ファイアウォール)とは?

ファイアウォール(Firewall)は、ネットワークの境界でトラフィックを監視し、不正なアクセスを防ぐセキュリティ機能です。

主な機能

  • パケットフィルタリング:許可された通信のみを通過させる
  • ステートフルインスペクション:セッションごとの通信を監視
  • アプリケーション層の検査:特定のアプリケーションの挙動を制御
  • 侵入防止システム(IPS)との連携:不正アクセスや攻撃の検出・ブロック

メリット

  • 外部からの不正アクセスをブロックできる
  • 企業ネットワーク全体のセキュリティポリシーを統一できる
  • ゼロトラストセキュリティと組み合わせやすい

デメリット

  • VPNのように遠隔アクセスの暗号化はできない
  • 設定次第では正規の通信もブロックされる可能性がある

VPN(仮想プライベートネットワーク)とは?

VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上で暗号化されたプライベートな通信を実現する技術です。

主な機能

  • データ暗号化:通信を暗号化し、安全性を確保
  • リモートアクセス:外部から安全に企業ネットワークに接続
  • IPマスキング:接続元のIPアドレスを隠す

メリット

  • 公共のネットワークでも安全な通信が可能
  • 遠隔地から企業ネットワークへ安全にアクセスできる
  • グローバル拠点間の通信を保護できる

デメリット

  • FWのようにネットワーク境界でのセキュリティ管理はできない
  • 高速な通信が求められる環境では遅延が発生する可能性がある

FWとVPNの比較表

項目FWVPN
主な目的外部からの不正アクセスを防ぐ安全な通信環境を確保
セキュリティ機能トラフィック制御、侵入防止データ暗号化、トンネリング
通信の監視ネットワーク境界で監視トンネル内のデータは監視されない
リモートアクセス提供しない提供する
導入対象企業ネットワーク全体リモートワーカー、拠点間接続
コスト比較的高い(ハードウェア型)低コストで導入可能(クラウド型)

どちらを選ぶべきか?

FWが適しているケース

  • 社内ネットワークを保護したい
  • 通信を管理し、不正アクセスを防ぎたい
  • セキュリティポリシーを一元管理したい

VPNが適しているケース

  • リモートワークを安全に運用したい
  • 拠点間通信のセキュリティを向上させたい
  • 公共Wi-Fi環境でも安全に業務を行いたい

FWとVPNを併用するケース

多くの企業では、FWとVPNを組み合わせてセキュリティを強化しています。

  • ゼロトラストネットワークの導入:FWで外部からの攻撃を防ぎつつ、VPNで安全なリモートアクセスを実現
  • SASEとの統合:VPN機能をクラウド上で拡張し、セキュアなアクセス環境を提供

今後のトレンド

  • ZTNAの普及:VPNに代わるゼロトラストアクセスが進展
  • クラウド型FWaaS:クラウド環境向けファイアウォールの普及
  • 5G最適化VPN:高速環境に対応したVPN技術の進化

まとめ

FWとVPNは異なる役割を持ち、併用することで強固なセキュリティ体制を実現できます。用途と環境に応じて、柔軟に導入しましょう。

関連記事